
近年のニューヨークにおけるもっとも目覚ましい開発と言えば、ハドソンヤードだろう。マンハッタンのミッドタウンにおけるハドソン川近くの開発で、2005年から再開発がスタートし、2019年3月にオープンした。

その中でも「ハドソンヤード35」は、約300mの高さを誇る超高層ビルで、ニューヨーク市においては5番目に高いコンドミニアム(分譲タイプのマンション)である。新興のハドソンヤード界隈では一番高い集合住宅ビルとなっている。
内部に目を向けると、床から天井までのフルハイトの開口部は、広く全方向に向けて解放されており、特にハドソン川方向に位置する西側のコンドミニアムはオープンな解放感に浸れるメリットがある。

また同様に印象的なアメニティとして、多岐に渡るコンシェルジュ・サービスがあるので非常に便利で助かる。広いラウンジやエンターテイメント・エリアに加えて、5,500m2のエクイノックス・ホテルのクラブやスパの2年間の無料メンバーシップがあるのは、豪華なプレゼントではないだろうか。
さらにドア・ボーイやコンシエルジュに加えて、「ハドソンヤード35」のスタッフには住宅関係のディレクターがいる。彼はホテルの中にあるエクイノックス・ホテルに連絡を取ったりして、住民の多種の在宅サービスを手掛けているのである。
2025年1月
文:淵上 正幸(建築ジャーナリスト)
Hudson Yards(New York, U.S.A.)
Design : SOM(Skidmore, Owings & Merrill)
Photos : SOM